新電子マネー:PayPayが2018年12月4日からスタートした「100億円あげちゃうキャンペーン~PayPayで支払ったら20%戻ってくる!」がスタートから僅か10日間で終了しちゃいました…もちろん同じ100億円を原資にした全額ポイント還元についても終了。
100億円が尽きるまでは2019年3月末までと言っていたのに…10日間で一般市民がPayPayで500億円近く消費したようです(500億円は全額ポイント還元を除外して試算)。
PayPayとは
PayPayとは、ソフトバンクとヤフーが2018年6月に設立したPayPay株式会社が運営するスマホ決済用電子マネーです。スマホでアプリを起動し、お会計時にバーコードリーダーでアプリに表示されるバーコードをスキャンorお店のバーコードを読み取るだけで決済が完了しますので、現金やクレジットカードよりもお手軽に決済できる代物です。
今回の「100億円あげちゃうキャンペーン」で存在を知った方も多いと思いますが(僕もです)、PayPayが市場でスタートしたのは2018年10月。スタートからたった2か月の間にキャンペーンのおかげで日本一有名な電子マネーになったと思います。
僕とPayPay
「100億円あげちゃうキャンペーン~PayPayで支払ったら20%戻ってくる!」を知ったとき、僕は衝撃を受けました。
「還元率20%だと!」
利用できる店舗は限られていますが、ファミリーマートを頻繁に利用する僕にとっては最高の施策です。金券類などを除いて何を買っても20%還元ですからね~値引きの無い雑誌やタバコも20%還元の対象。当分はセブンイレブンやローソンに行くことは無いだろうと思っていました。
また、ビックカメラやジョーシンなど電気量販店もPayPay加盟店です。もうすぐクリスマスですので、娘二人のクリスマスプレゼントはPayPayで買おうと思っていました。10分前までは。
早々にキャンペーン終了するだろうという噂は聞いていましたが、まさか10日で終わるなんて。早いよ!まじ、早いよ…
「100億円」が消費者にもたらしたもの
得をした人たち
「20%ポイント還元」と「上限10万円・一定確率で全額ポイントバック」というこれまで見たこともない大盤振る舞いのキャンペーン!しかも金券類や公共料金・チケット類の支払い以外のほぼ全ての商品が対象となりました。
そこで、皆さんは値引きされにくい商品を買いまくるわけです。その最たるものがApple商品。macやiPad、イヤホンを購入された方がネットを検索するとわんさか出てきます。しかも全額ポイントバックに当選されている方もちらほら。ソフトバンクユーザーは全額ポイントバックに当選する確率が10%もあるということで、格安simからソフトバンクに戻ろうかと一瞬考えちゃいました。
macや高額家電を実質タダで入手できた人たち、うらやましいいいい!!!
※僕の全額ポイント還元はたった223円分でフィニッシュ…
二重請求、カード情報流出してしまった人たち
このキャンペーンは負の遺産ももたらしています。サーバーエラーやシステム障害で二重決済になってしまった人や、盗まれたカード情報がPayPayで不正利用されてしまった人がいるようです。
どれも手続きをすればお金は戻ってくるようですが、いかんせん手間がかかりますよね。
また、PayPayでのカード情報の不正利用はPayPayを使っている・使っていないにかかわらずに発生しているようです。PayPayに何らかの方法で他人のクレジットカードを登録して利用するという手口らしく、下記ブランドのクレジットカードをお持ちの方は一通りチェックされた方がいいですよ!少なくとも次回の請求明細は確認しましょう!
<PayPayで不正利用されていないか確認すべきクレジットカード>
- VISA
- MasterCard
- JCB(Yahoo! JAPANカードのみ)
※請求明細に「PayPay」と書いてあるようです。身に覚えがなければカード会社に問合せしましょう!
PayPayとモバイル端末決済の普及
今回のキャンペーンの恩恵を受けた消費者は「イノベーター」「アーリーアダプター」に属する人たちが多かったのではないでしょうか。いわゆるミーハー、流行りに敏感な人たちです。これから「アーリーマジョリティ」が動いてくるだろう矢先にキャンペーンが終了したのだと思いますので、爆発的な普及にまで至らなかった思われます。
日本で普及しているモバイル端末決済は「LINEPay」「dポイント」「ApplePay」「楽天Pay」「Tポイント」「Waon」「nanaco」「Origami Pay」など多岐にわたりますが、一部の商圏でしか使えないものです。
一方の電子マネー先進国の中国では「WeChat Pay(微信支付)」「AliPay(支付宝)」のスマートフォンでのQRコード表示と読み取り機能を使ったサービスが市場のほとんどを占めているそうで、それに比べると日本はまさに戦国時代。そこで100億円をぶっこんだ施策を講じたPayPayはまるで織田信長のよう。日本史では信長が作った下地を豊臣秀吉、そして徳川家康に取って代わられましたが、PayPayが勢いそのままに日本のモバイル端末決済の覇権を取ってしまうかもしれません。
PayPayがキャンペーン後も普及していく理由があります。また後ほど詳しく述べますが、ポイント還元は消費者にまだされておらず、来年に一斉に還元されます。つまり、貯まったポイントを一斉に吐き出すタイミングが訪れるんです。キャンペーン終了で一旦下火にはなりますが、すでに次のインパクトが確定しているということ。100億円キャンペーンは終了しましたが、普及イベントはまだ終わっていないのです。
電子マネーのシェア率がどうなっているかは知りませんが、LINEの普及率からして一番シェアを伸ばす下地が整っているのはLINEPayだと思います。利用していないだけで入り口は皆のスマホに入っていますしね。
今回のPayPayのキャンペーンで「お得感」が相当あれば爆発的に普及が進むことが分かったわけですので、今後は各社による「投資戦争」が起こるかもしれませんね。消費者にとっては嬉しい限りですが、仁義なき戦いになる様相を呈しそうです。
「100億円」がお店にもたらしたもの
100億円キャンペーンで得したお店
今回の100億円キャンペーンで恩恵を受けたのはPayPay加盟店の電気量販店ではないでしょうか。
PayPayに加盟している電気量販店はヤマダ電機、ビックカメラ、Joshin、エディオン、コジマなどです。消費者は実質2割引きで家電やパソコンなどが買えるということでヨドバシカメラを尻目に向かったんじゃないでしょうか。
次点はファミリマートかな?
PayPay加盟店はまだまだ少なく、加盟店を探して行くのは結構しんどいです。ただしコンビニであればそこら中に乱立していますので、少しの労力で行けるわけです。少額決済ですがセブンイレブンやローソンから客を奪うことに成功したのではないでしょうか。僕はキャンペーン期間中に10回ほどコンビニに行きましたが、やむを得ず1回だけローソンに行っただけで、他は全てファミリーマートで買い物をしました。実質2割引きは大きいですもん!
キャンペーンでずるしたお店
「ずる」というか「商売上手」と表現したほうがいいかもしれません。
100億円キャンペーン終了とともに売価の値下げをしていた電気量販店があるようです。キャンペーン中に値上げをしていたかは不明ですが、購買意欲が高いときは不要な値下げをする必要はありませんしね。
このことを踏まえると、還元率の高いキャンペーンは定価販売商品を狙うに限りますね!
2018年1月にお店にもたらすもの
「PayPayとモバイル端末決済の普及」で少し触れましたが、ポイント還元はまだ一切されていません。キャンペーン中に購入した分のポイント還元は2019年1月10に付与予定です。つまり、今回の「100億円」分のポイントが2019年1月10日に一斉に消費者に還元されるということです。10ポイントや300ポイント程度であれば消費に繋がりにくいですが、数千円、数万円、人によっては十万円以上の電子マネーを持つことになります。そして電子マネーは現金より消費してしまいやすいもの。しかもポイント還元に当選して実質タダでポイントを手に入れている人もいる。財布の紐が緩くなるということです。
今回おいしい思いをした加盟店はよだれを垂らして狙っていると思います。
また、視点を変えれば加盟店増加にも繋がりますね。PayPayの認知度が上昇したことはもちろん影響は大きいと思いますが、電子マネーの残高を加盟店増加に影響をもたらすと思います。100億円キャンペーンで得た電子マネーは「あぶく銭」のようなもので、気軽に消費に回してしまうでしょうし。おこぼれ頂戴よろしくで加盟店増加スピードは早まると思います。
一方、ヨドバシカメラやローソン、セブンイレブンなど、PayPay非加盟店がどういう動きになるか見ものですね。今回のキャンペーンの影響が小さかったなら動きは鈍いでしょうが、影響が大きかったのであれば早々に動きがあると思います。PayPayに加盟してくれれば嬉しいですけどね~他の電子マネーと大きなキャンペーンを打つかもしれませんが。
僕らはこれから何を使うべき?
モバイル端末決済としては、かつてはFelicaが圧倒的でした。かつてのiPhoneはsuicaに対応していなかったので、昔の僕は他社からiPhoneに相当の覚悟を持って乗り換えたこともあります(今はApplePayがありますが)。
ただ、これからはICカード読取方式ではなく、QRコードなどバーコードの読取での決済が主流になると思います。ハード面に依存しませんしね。
そして、誰もが持っている携帯電話で利用できること。
バーコード利用、携帯電話(スマホ)で利用できることが最低限の必須条件かと思います。
他にも利用できる店舗・サービスが多いことも重要ですね。また利用額に応じた還元率の高いサービスを選びたいものです。みんなが使っていることも大事。
これらを考えると、現時点では「PayPay」か「LINEPay」を使うべきではないでしょうか。「PayPay」は今回のキャンペーンがありましたので、今後に大きく期待できます。個人的には同様のキャンペーンが開催されると見ています。「LINEPay」については日本で圧倒的に普及しているSNSサービスのLINEが母体ですし、還元率がかなりGOODです。
ただし、一番重要なのはよく利用するお店に対応していること。「PayPay」も「LINEPay」も加盟店は楽天ポイントやTポイント加盟店よりも圧倒的に少ないので、当面は様々な電子マネー・ポイントを並行して貯めていかなくてはなりません。
また、「PayPay」も「LINEPay」も大元はクレジットカードで支払うことになります(銀行引き落としでもいいですが)。どのクレジットカードは利用額に応じてポイントが貯まりますよね?電子マネーはまだまだ過渡期で対応店舗も少ないので、まずはしっかりクレジットカードでポイントを貯めた方がいいと思います。
僕はTポイントと楽天ポイントを貯めています。ネットショップはもちろんですが、実店舗でも貯まりやすく使いやすいからです。
ということで、ヤフーカード(Yahoo! JAPANカード)、楽天カードは持っていて損は無いですよ!
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