行政書士と社労士、どっちも目指すべき?

行政書士

働き方や生き方の多様化が進む中、何かしらの資格を取ろうという方も多いと思います。その中でも、国家資格として注目されている「士業」の資格のうち、人気のある資格といえば「行政書士」と「社会保険労務士(以下、社労士)」です。

 

この2つの資格、どちらも学習時間が約半年〜とされています。

もちろん本人の素養や学力、勉強時間に左右されますが、中卒の方や主婦の方も合格されています。また、法律の知識がない方でも勉強期間3ヶ月で試験に合格される方もいらっしゃいます。しかも独学で。

 

また、行政書士と社労士はどちらも同じ法律を扱う仕事で、勉強しなければならない範囲も一部かぶっています。

そのため、どちらの資格も取ろうと考える方もいらっしゃいますが、1つに絞ってください。

今回はなぜ1つに絞るべきかを伝えたいと思います。

 

行政書士と社労士、2つとも取った方がいい?

世の中には資格取得が趣味の方もいるようですが、たくさん資格を持っている方がいいというわけではありません。能力が高ければ簡単にたくさんの資格を取ることもできるでしょうが、時間の無駄になる可能性が高いです。

 

1つに絞る理由① 勉強時間

もっとも大きな理由です。

勉強に相当の労力をかけなければならないから。

 

行政書士であれば、約500時間〜1,000時間くらいが勉強時間の目安とされています。仮に1,000時間と仮定して、1日の勉強時間を4時間と計算すると、毎日勉強したとしても250日必要です。社労士も同じ程度の勉強時間が必要とされています。

ちょっと難しいですよね。

資格の学校を利用すれば500時間くらいで合格できるとも言われていますが(資格の学校が言っている時間)、それでも相当な時間が必要です。

 

勉強するための時間を考えれば、資格をいくつも取るのは難しいことがわかると思います。

 

1つに絞る理由② 資格を活かした仕事は一方しか役に立たない

勉強する範囲は重複している部分もあります。仕事の上でも「ここまでは行政書士、この先は社労士」ということも多くあります。

 

ただし、行政書士、社労士ともに専門性の高い資格です。

両方の資格を持っていた方が仕事の幅は広がることは間違いありませんが、勉強時間や資格取得のために費やした費用を考えた際、必ずしもいいとは言えません。

 

どちらか一方の資格でしかできない仕事というのは、その仕事に対する専門性を求められるということです。

資格を取った後でも、その専門性を高めていかなればせっかく取った資格も「昔取った杵柄」になってしまうんですね。

 

考え方としては、どちらか一方の資格で仕事をして、資格の範囲外の仕事は別の方にお願いするということが挙げられます。

開業するのであれば、資格外の仕事は他の士業の方に頼むというやり方です。

「知り合いに士業の人なんていない」と不安な方もいると思いますが、士業の仕事は他の士業との連携が当たり前の世界ですので、否応無しに繋がりができていきますのでご安心を(というか、連携しないと仕事にならないことも)。

 

1つに絞る理由③ 集客の問題

特に開業を考えている方はよく考えて欲しい問題です。

 

集客、できますか?

 

資格で雇用される立場であれば、お客さんを集めることに苦心する必要はありませんが、開業される方は集客が生命線となります。資格を取って看板を出してもお客さんは来ません。

行政書士の資格を持っている、社労士の資格を持っているというだけでは、頼ってくる人はほぼ0です。いくら名刺を配っても、売上は労働力に見合わないです。

 

開業するのであれば、資格以外のアピールポイントが必要です。

それは、専門分野。

 

「〇〇なら任せてください」と言えるくらいの専門性がなければ、すでに先行して仕事をしている他の士業の方に太刀打ちできません。

大きな事務所であれば受ける仕事の幅を広げても大丈夫ですが、1人で開業する場合、何の経験も無しに複数の専門性をいきなり持つなんて難しいです。

※試験勉強をたくさんしても、実務に直接役立つことはほとんど得ることができませんので、勉強で得た知識と実務の知識は別物と考えてください。

 

専門性を持っていれば、それを明記した名刺を配れば集客に繋がる可能性も高まりますし、効果的な広告も出しやすくなります。

 

また、web集客も容易に行うことができる可能性が高まります。

web集客ではそのサイトの内容・専門性が低ければアクセスされません。仕事を依頼したい人というのは、行政書士や社労士を探しているのではなく、「〇〇ができる人」を探しているんです。

資格を持っているからといって稼げるとは限らない理由は、まさにこれです。

 

おわりに

どちらの資格もできる仕事の幅はかなり広大で、専門分野以外の仕事は受けないという士業の方も大勢います。そうした実情を考えれば、目指す資格は1つに絞るべきで、資格を取った後はその専門性を高めて行く必要があります。

 

また、独学で資格取得を目指す方も大勢いらっしゃると思いますが、金銭的な問題がない限り通信教育や学校に通われることをお勧めします。

独学でも合格はもちろん可能なのですが、なかなか理解できなかったり、間違って理解してしまったり。法律の世界は、ある意味で言葉遊びですので、解釈の違いによって全く意味の異なる内容になってしまいます。

よく、憲法9条の自衛隊や交戦権の解釈が時代とともに変わることからもわかると思います。

 

間違った理解・解釈をしてしまった場合、独学では気づけないことも多く、一度間違って覚えてしまうと混乱してしまうことになってしまいます。

「要点を押さえる」「効率のいい学習」という視点は当然ですが、「正しく理解する」という点からも通信教育やスクールはお勧めです。

 

↓こちらは私が利用しているスクールです。法律を専門にしているだけあって、他の資格学校よりも利用価値が高いと思います。



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